さらに、災害時の非常用電源としての役割も注目されている。たとえば、2021年の日本で発生した大規模停電時、多くの家庭がポータブル電源を活用して、照明や小型家電を使用することができた。特に大容量の1,000Wh以上のポータブル電源は、冷蔵庫やテレビなどの家電を数時間動作させることが可能だ。災害リスクが高まる中で、こうしたポータブル電源の導入は予想以上に効果的だ。
価格面でも、ポータブル電源のコストはここ数年で大幅に下がっている。5年前に比べて約30％の価格低下があり、現在では3万円台から手に入るものも多い。例えば、300Wh程度の容量を持つモデルならば、予算を抑えつつも十分な電力供給が期待できる。
一方、電気自動車（EV）の普及に伴い、ポータブル電源はEVユーザーにとっても便利な存在となっている。特に、キャンプなどでEVを利用する際には、車両のバッテリーを消耗させずに電力供給ができるため、バッテリー寿命を延ばすことができると指摘されている。自動車ジャーナリストの佐藤健一氏も、「EVユーザーにとってポータブル電源はバッテリー保護のためにも非常に重要なアクセサリーだ」と述べている。
また、テレワークの増加により、自宅外での仕事環境を整えるためにポータブル電源を導入する人も増えている。特に、電源の確保が難しいカフェや公園などで仕事をする際、ポータブル電源は数時間の連続使用を可能にし、生産性を維持するためのツールとして有効だ。
実際に、ポータブル電源の需要は年々増加しており、2022年の調査によると市場規模は前年比で約20％増加している。これは、災害リスクやアウトドアブーム、そしてリモートワークの普及が大きく影響している。多用途で使えることから、現代のライフスタイルにおいて必要不可欠なアイテムとしての地位を確立しつつある。
さらに詳しい情報はポータブル電源で確認できる。